やはりすき家の値下げ宣言には無理があったのか

先日、値下げのすき家、値上げの吉野家で、同じ条件なら消費税増税後値下げになるすき家に行くだろうと書きました。

ただし、無理な値引きのしわ寄せとして、また変な食品偽装が起こったり、より一層の従業員の労働環境悪化が引き起こされたりしないこと、という条件を付けた上でですが。

そこに湧いてきたのが最近のすき家の連続閉店の噂です。

連続閉店が起きた理由

詳しくは以下のブログ記事などでまとめられていました。

すき家の連鎖的閉店はどのようにして起こったか? – 仕事にゅうす(仮)

掲示板の情報ベースの話ですので完全に正確とは言い切れませんが、以下のようなことが起こっているようです。

  • 元々従業員の労働時間削減が行われ、定常的な人手不足状態であった
  • そこに仕込みや提供に手間がかかる「牛すき鍋定食」が登場
  • 人を増やさずシフトの調整や他店ヘルプで無理やり回そうとして、客が多い時間帯を一人で対応するワンオペなどのキツイ勤務が多発
  • 会社側とアルバイトの信頼関係が崩壊し、同じ店内や掲示板などを通じで同時多発的にアルバイトが離脱

まさかまだ値下げが始まってもいないこの時期から、こんな問題が噴出してくるとは思いませんでした。

従業員を犠牲にする安売り店は選ばない

値下げ前からこんな状況で今後何も手を打たないのであれば、値下げ後はよりひどい状況になることは想像に難くありません。

まだ情報が出始めたばかりですのでもう少し推移を見守る必要があると思いますが、このような状況が続くようであれば、自分としてはすき家に行くという選択は撤回せざるをえないと考えています。

企業は巨大であり、従業員と顧客は個々人としては比較的弱い立場ですが、その一方で企業の命運を左右するのも従業員と顧客の行動です。

個人としての影響力は小さいものですが、とりあえず今後の情報を見ながらすき家に対する顧客としての態度を決めたいと思います。

そして従業員も動き出す

一方従業員側も、今回の騒動のきっかけになったのは一番立場の弱いアルバイトのようです。

以前に体力がある企業は高い賃金を支払うべきかで、労働内容と賃金のバランスがとれていることが重要であり、仕事内容と不釣り合いな最低賃金では人が集まらないという状況を作る政策を望む、という話を書きました。

しかし、今回はそんな政策を待つまでもなく、掲示板などで情報を共有し合った従業員の行動が企業にプレッシャーを与え始めています。

実態を顧みず、度を越した人件費の削減で利益を釣り上げようとする企業の安易な経営姿勢に対して、労働組合の結成などの伝統的な手段ではなく、ネットを通じた個々人の連携という新しい動きが企業に影響を与え始めたことは、今後の労使関係を改善する1つのカギになるかもしれません。

本件については、今後も動向を注目していきたいと思います。

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『やはりすき家の値下げ宣言には無理があったのか』へのコメント

  1. 名前:horizon 投稿日:2014/03/24(月) 02:06:29 ID:bf40da8ed 返信

    今後は安売りは、インフレと、少子高齢化による、人手の確保や薄利多売が難しくなることで、大変になりそうですね。
    高単価の鍋など安売り以外の方法を模索するのは良いことだと思います。
    でも、鍋はオペレーション出来ないだろうと思ったのですが、吉野家がうまくいったのが不思議です。
    お客さんが減少傾向だったので対応できたか、ちゃんと人手の確保をしたのでしょうね。

    別記事の純金積み立てですが、ETFや投資信託は選択肢にならないでしょうか。
    でも、今回の場合は、ETFや投資信託に乗り換えると一旦利益が出て課税される問題があるかもしれませんね。

    • 名前:観楓 投稿日:2014/03/24(月) 12:08:49 ID:32d735eba 返信

      horizonさん、コメントありがとうございます。

      吉野家は自分が見た限りでは調理と接客は分業しているようですし、メニュー体系がすき家に比べればシンプルなことなども影響しているのかもしれませんね。

      純金積立は前から高コストが気になってはいたのですが、代替手段の調査と乗り換えの手間が面倒でズルズルと来てしまいました。

      しかし、考えみれば確定申告もやるようになったわけですし、今が良い機会かもしれません。ご指摘の金関連のETFや投資信託なども含めて一度検討してみたいと思います。