9月16日にiOS9が公開されて以来、ネット上では標準ブラウザーSafariに搭載された広告ブロックの機能(広告ブロッカー)が話題ですね。
iOS9が公開されてから1週間ほど経ちましたので、とりあえずうちのブログに影響が出ているかどうか、Google AdSenseのデータを少し分析してみました。
iOS9公開前後の変化
iOS9の広告ブロッカーの影響が現れ始めるとしたらモバイルデバイスでの広告表示回数が減るだろうと考え、iOS9公開前後1週間ずつの広告表示回数を分析してみました。
ただし、当然広告表示回数自体に日々の変動がありますので、表示回数の中でモバイルデバイスが占める比率に注目します。
AdSenseのデータは
- デスクトップ
- ハイエンド携帯端末
- タブレット
の3つのプラットフォームに分離できますので、このうちハイエンド携帯端末とタブレットをモバイルデバイスと考え、表示回数の中でこれらが占める比率を集計しました。
日付 | モバイルデバイス比率 | |
---|---|---|
2015年9月9日 | 47.7% | |
2015年9月10日 | 47.3% | |
2015年9月11日 | 51.6% | |
2015年9月12日 | 56.9% | |
2015年9月13日 | 56.7% | |
2015年9月14日 | 52.8% | |
2015年9月15日 | 51.8% | |
2015年9月16日 | 50.0% | ←iOS9公開日 |
2015年9月17日 | 53.9% | |
2015年9月18日 | 50.7% | |
2015年9月19日 | 55.0% | |
2015年9月20日 | 51.1% | |
2015年9月21日 | 40.7% | |
2015年9月22日 | 55.3% |
iOS9の公開前後で平均を取ってみると、モバイルデバイスで表示された広告数の比率は
- iOS9公開前:52.2%
- iOS9公開後:50.5%
となりました。数値的には若干下がっていますが、この差は誤差の範疇と思われ、今のところ統計的に有意な差は見うけられませんでした。
グラフにしてみても、iOS9公開前後で明確な減少傾向などは見られません。
9月21日だけが極端に低くなっていますが、これは元データに当たってみると、モバイルデバイス分が低下したというよりもデスクトップ分が極端に多い特異日でした。
ただiOS9が公開されてからまだわずか1週間であり、本命のiPhone 6sシリーズの発売も今週末からということで、この傾向についてはもう少し長期にわたって観察してみたいと思います。
広告ブロッカーはブログ収益にインパクトを与えるか?
現状数値的な影響ははっきりしませんでしたが、うちのブログでのモバイルデバイスの広告表示比率が約50%でしたので、その内半分がiOSであり、更にその半分が広告ブロッカーを導入すると仮定すると、ブロックされる比率は12.5%となります。
さらに広告ブロッカーを導入するような人は元々モバイル広告をほとんどクリックしていなかっただろうと考えると、ブロッカーで減る収益は10%以下であり、それほど大きいものではないかもしれません。
しかし、今後この機能が普及していって大半の人が広告ブロッカーを導入したりデフォルトで有効になる、というような事態になるとそうも言っていられなくなる可能性もあります。
現状ブログからわずかでも収益を得ている者の立場から言わせていただくと、正直厄介なものが出てきたという印象はあります。
ただその一方で、モバイル上には無駄に通信容量を浪費したり画面を占有したり誤クリックを促すなど、目に余る広告が氾濫しているのも事実です。
今後広告ブロッカーが進化・普及していくとしたら、現状のような全ての広告やAnalyticsのコードまでもカットしてしまうというような乱暴なものではなく、個々の人の嗜好や感性に応じて真に望まないものだけをカットできるインテリジェントでスマートなものへと発展していくことを期待したいと思います。
それが広告収入を主力にサイトを運営している業者や、ブログからのささやかな収益を楽しみにしている個人ブロガーの活動意欲を削がない道でもあろうかと思います。