年金は繰り上げ受給が合理的なのか?

マネー界隈で「持ち家が得か、賃貸が得か」と同じくらい議論になる話題として、「年金は繰り上げが良いか、繰り下げが良いか」というのがあります。

繰り上げ受給が合理的なのか?

YouTubeを見ていてまたこの話題が出てきたのですが、その動画の作者の方は60歳で繰り上げ受給する。そしてiDeCoも60歳で一時金として受け取り、得られた資金を自分で運用するとおっしゃっていました。

この方は他の動画も含めて資産運用に関してかなり論理的かつ正確に分析・検討している方だとお見受けしていましたので、この極端な意見にはちょっと驚きました。ただこの人が言っているのなら、この意見にも一定の合理性があるのかもしれないなとも思い始めました。

と言いますのも、この方は60歳までまだかなり時間があるにもかかわらず現状の私よりもかなり多額の資産をすでに築いておられるようですので、生活資金がひっ迫しそうだから繰り上げと考えているはずはないですし、その運用実績からして繰り上げを選ぶのにもそれなりの根拠がありそうだったからです。

ただまあ資産運用には当然リスクがありますし、繰り下げして年金の比重を上げるのにも制度変更やマクロ経済スライドによる目減りなどの不透明な要素があります。

そのあたりをどう見積もるのかによって、シミュレーションの結果はいかようにも変わりそうです。

自分は多分繰り下げでいく

改めて自分はどうすべきかと考えてみましたが、私はすでに60歳を越えていますので、繰り上げにフルベットするには手遅れです。

また一般口座に入れてしまった持株会の株式を特定口座で買い直す作業を今していますが、そこでの譲渡所得の所得控除を確保するために国民年金に任意加入するとともにiDeCoへの拠出も延長しています。

さらにiDeCoの運用金額がそれなりに膨らんでいますので、iDeCoと公的年金の受給を同時に行うと、税金や健康保険料がかなり高くなりそうです。

これらのことを考えますと、やはり自分が繰り上げに走るのはあまり現実的では無さそうです(もう少し早くからちゃんと色々考えて手を打っておけば、その手もあったかもしれませんが)。

ここまで来たらいっそ逆方向に振り切って、少なくとも5年、ひょっとしたらフルの10年年金受給を繰り下げて支給額を厚くしていくのが現実的かな、という感じです。

また最近の証券口座の不正アクセスによる被害などを見ていますと、繰り上げによって年金の比率を下げて自力の運用額を引き上げるのは、万一のことがあった時にダメージが大きそうです(かなりレアケースだとは思いますが)。

やはり何もしなくても割り増しの支給が一生続く年金の繰り下げは、安心感があるのですよね。当然早死にすれば損ですが、その時までそれなりに満足して暮らせたならば、それで良しとすればいいでしょう。

年金は損得で考えるよりも死ぬまで安心して暮らすための保険であるという考え方に基づき、この方針で行こうかと思います。

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