資産運用に興味はあるんだけど仕事が忙しくて考えている隙がない、というような理由で預金一本槍の資産形成をしている人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし以下の記事を読むと、そろそろ無理やり時間を作ってでも何か考え始めたほうがよい時期かもしれません。
インフレ・円安・株高時代には「何もしないことがリスク」になる — 内藤 忍 : アゴラ
「何もしない」=「安全」ではない
変な運用をして資産を目減りさせるぐらいなら、利子は少なくても元本の保証された預金で十分という考えの方もおられるでしょう。
いろいろ検討した上でその結論に至ったのであれば、それはその人の意思による選択ですので、それ以上何も言うことはありません。
しかし何となく、今まで何もしなくてもうまく資金が貯まってきたからこのままでいい、と思っている方はどうでしょう。
上の記事でも書かれていますように、1990年代以降は多少の浮き沈みこそあれ、20年以上「株安」「円高」「デフレ」という経済状況が続いてきました。それは現金を持っておくだけで価値が上がっていく時代であり、なにもしないことがたまたまその時代にうまく適合していただけなのかもしれません。
しかし去年からのアベノミクスを境に状況は変わりつつあります。「株高」「円安」がある程度現実のものとなり、「インフレ」もだんだん現実味を帯びてきました。この状況下では、「何もしない」ことが実質的な資産価値を目減りさせるリスクになる可能性があります。
これからの時代は、意識的にしろ無意識にしろ、「何もしない」こともまた1つの自分の選択であり、それは必ずしも安心・安全を意味するものではないことを意識しておく必要があるでしょう。
今のうちから投資に慣れる
もちろん先行きは不透明であり、このまま一気に「株高」「円安」「インフレ」が進む保証は有りません。しかし、それが確定的になってから資産運用を考え始めたのでは大幅に出遅れます。
また確率論的には、「円」一択よりは株式や外貨などに分散投資したほうが資産価値の変動率(ボラティリティ)は下がります(振れ幅が小さくなるということで、必ずしも儲かるということではありません。念のため)。
今の時代はインターネット証券会社の口座さえ開けば、簡単に株式や投資信託を取引できます。必要があれば、定期的に自動で買い付けを行う仕組みなどもあります。
外貨についても、証券会社や銀行などで外貨MMFが買えますし、FX会社の口座を開けば、レバレッジの調整などを少し勉強する必要はありますが、格安の手数料で外貨を保有することもできます(銀行の外貨預金は手数料が高いのであまりお勧めできません)。
いきなり大きな投資をしなくても、毎月これらを少額ずつ積み立て、その値動きを見ることで投資に慣れることが出来ます。
どこから手を付けていいかわからないという方は、以前からお勧めしています以下の本などを読んでみてはどうでしょうか。
ここで小さな一歩を踏み出すことが新たな選択になります。やってみて自分に合わないと思えば止めてもいいですし、良いと思えば徐々に投資額を増やせばいいでしょう。
いずれにしても、その経験が将来の自分の助けになるはずです。