昨日書きました新MacBookのCPU負荷を軽減して性能改善(全ユーザーにお勧め) でCPU負荷が下がり、かなり快適になった新MacBookですが、今日はそのCPUに注目してみます。
動作クロックをドラスティックに変えるCore M
当初から性能面で不安視されていた新MacBookのプロセッサCore Mですが、その特徴の1つは省電力のためにCPUの動作クロックを大胆に変更することです。
例えばこれまで使っていた15インチ版Retina MacBook ProのプロセッサCore i7は定格クロック数が2.6GHzです。これがTurbo Boost時は最大3.6GHzとなりますので、クロック数の変動率は約38%までということになります。
これに対して新MacBookのプロセッサCore Mは、512GBモデルの場合 定格クロック数1.2GHzに対してTurbo Boost時は最大2.6GHzであり、実に2倍以上もダイナミックに動くことになります。
Core Mの動作状況を見てみたい
そうなりますと、実際にCore Mが動作している時の状況を見てみたくなりますが、標準的なMacではアクティビティモニタのCPU使用率くらいしか見られる情報がありません。
WindowsであればCPUのスペックや動作クロックなどを見るツール(いわゆるCPU-Z的なもの)が山ほどありますが、Macではそういうツールもあまり聞いたことがありません。
そこで、これを機会にMacで使えるツールがないか調べてみたところ、Intel Power GadgetというIntel純製のツールがあることがわかりました。
Intel® Power Gadget | Intel® Developer Zone
Windows用、Mac用、Linux用と多岐にわたって提供されていますので、早速これをダウンロードしてインストールしてみました。
Intel Power Gadget
Intel Power Gadgetを新MacBookで起動した画面が以下です。
リアルタイムに更新されるグラフが3つ並んでおり、上から
- パッケージの消費電力とコア消費電力
- コアクロック数とグラフィックスプロセッサのクロック数
- パッケージ温度
となっています。
グラフの上にある数値の部分にカーソルを合わせると、以下のようにその数値の説明が表示されます(スナップショットを取る時にカーソルが消えてしまいましたが)。
新MacBookのCore M動作状況
これで見てみると、新MacBookのCore Mは通常 クロック1.3〜1.8GHz程度で動作しており、負荷のピーク時には2GHz超まで上昇します。しかしそれが長時間続くことはなく、2GHzを越えている時間はせいぜい数秒間といったところでした。
スペック通り、かなりダイナミックにクロック数を変化させていることがわかります。
また、試したのが運悪くTimeMachineでの外部ディスクの大量バックアップを開始してから十数時間が経過した状況でしたので、パッケージの温度は70℃前後まで上昇していました。
体感的には本体の裏面が少し熱くなり、キーボード面は全体的にほんわり暖かい状況です。
このクロック制御のおかげもあって、以前にMacBook Proを節電エコチェッカーで測った時の消費電力が25〜40W程度であったのに対し、新MacBookは10〜15W程度と半分以下の消費電力に納まっています。
このレベルですと空気清浄機の消費電力とほぼ同等であり、1日24時間動作させても電気代は10円程度です。やはりこの省エネ性能は大したものです。