昨日のMacの新しいOSでもe-Taxができそうですの続きです。
Mac上で住民基本台帳カードを使ってe-Taxのデータを送信するときの流れと、その中で発生する問題点の回避方法について書いていきます。
キーチェーンのパスワード要求について
昨日書きました手順に従うと、MacOSX 10.7 Lion以降の新しいMacOSでも、ICカードを認識できるようになります。
このときまず問題となるのは、ICカードを挿したICカードリーダをMacに接続すると、以下のように「キーチェーン”JKPI-card #n”を使おうとしています。キーチェーンのパスワードを入力してください。」というダイアログが出始めることです。
出るタイミングは様々で、e-Taxでは使用していないChromeで出たりすることもあります。
要求されるメッセージは「キーチェーンのパスワード」となっていますが、ここでは住民基本台帳カードに登録されている電子証明書のパスワードを入力してください。
ここで誤ってMacの各種パスワードや住民基本台帳カード自体の暗証番号を5回以上入力してしまうと、ICカードがロックされて使用できなくなります。
ロックされてしまった場合には、カードを発行した役所に持って行って解除手続きをしてもらう必要があります。実は私もやってしまい、やむなく市役所に行ってきました。なお、役所での解除手続き時には住民基本台帳カード自体の暗証番号が必要になりますので、忘れている人は控えなどを見て思い出しておいて下さい。
Mac上でe-Taxデータを送信する流れ
ここからは、Mac上で住民基本台帳カードを使ってe-Taxのデータを送信する流れを説明します。
e-Taxでデータ入力が終わると、ページの先頭が以下のような画面で送信準備のフェーズに入ります(ここまでの流れはMacでもWindowsでも同じですので省略します)。
このときページの末尾では、以下のようにICカードを挿したICカードリーダライタを接続するよう要求されます。
ICカードリーダライタを接続後、「入力終了(次へ)」ボタンを押して先に進むと、以下のように「セキュリティ設定によってブロックされたアプリケーション」というエラーが出る場合があります。
この時、ブラウザ内でJavaアプリを起動しようとしていますが、MacにインストールされているJava環境が比較的新しい場合、セキュリティが強化されていてこのエラーが出るようです。これが出た場合には、後述のJavaの例外サイト・リスト登録の処理を行って下さい。
エラーが出ず先に進めた場合には、以下のような確認ダイアログが表示されます。ちょっと怖いメッセージですがチェックボックスをチェックして「実行」ボタンを押します。
無事Javaアプリが起動されますと、以下のような画面が表示されます(アプリ起動でしばらく時間がかかる場合がりますので、1分程度は待ってみてください)。
「次へ」ボタンを押してICカードがうまく認識されていないと
のようなエラーが出ますが、昨日書きました設定がうまく行っていれば、以下のようにICカード内の電子証明書の情報が表示されるはずです。
「次へ」ボタンを押して以下の画面が表示されれば、送信の準備は完了です。
後はe-Taxを始める時に設定した暗証番号を入力して送信するだけです。
Javaの例外サイト・リスト登録
上記のように途中で「セキュリティ設定によってブロックされたアプリケーション」というエラーが発生した場合には、以下の処理を行います。
Macの「システム環境設定」のパネルから「Java」を選びます。
開いたJavaコントロール・パネルの「セキュリティ」タブで、「サイト・リストの編集」ボタンを押します。
開いた例外サイト・リストのダイアログで「追加」ボタンを押し、エラーのダイアログに出ていた場所のURL「https://www.keisan.nta.go.jp」を追加登録します。
「OK」ボタンを押して元の画面に戻り、例外サイト・リストに登録したURLが表示されていれば、登録完了です。もう一度データ送信の手順をやり直せば、今度は先に進めるはずです。
以上、Macでのe-Taxデータ送信の手順について説明してきました。引っかかりそうなところについては出来る限り回避方法を書きましたが、正直言ってパソコンに慣れていない人にとってはかなり険しい道のりのような気がします。
せめて世間で流行っているような一流どころのサービスのベンダにシステムを組んでもらえば、もう少し優しいシステムになるような気もするのですが、予算の関係などで難しいんでしょうかねえ。