ある持ち家派の方が、以下の不動産業者のページに掲載されているデータを元にして書かれた記事を見かけました。
中古マンション 築年別の価格と経年変化|不動産購入・不動産売却なら三井住友トラスト不動産
中古マンションの築年数による価格変化
上の記事よりグラフを引用させていただくと、以下のようなものです。
これは、2011年に流通した東京・大阪・愛知の中古マンションの価格を築年数ごとに集計し、各築年数における平均坪単価を算出してグラフ化したものです。
その持ち家派の方は、このグラフよりローンさえ完済すれば確実に資産が手に入るということを主張されていました。
築後30年以上を経過しても資産価値がゼロにならないのは確かでしょうが、賃貸と比較するなら同じ期間賃貸に住んだ場合と総コストで比べる必要があるということは、今まで何度も申し上げています。
しかし、そのことはとりあえず横に置いておいたとしても、この話には実はもう1つ問題があります。
投資家が陥りやすい罠
それは過去の統計データから読み取った情報を元に、これから買う物件についても同じ結果が得られると短絡的に考えている点です。
その統計データが取られた過去の不動産市場の状況が、今後の数十年についても同じように繰り返されると想定できる何らかの根拠があってそう考えているのならいいのですが、そうでなければそれはただの思い込みです。
今築30年になった物件が過ごしてきた時間と、これから買う物件が過ごす30年は同じ時間ではないのです。
これは不動産投資に限らず、投資をする人全般が陥りやすい錯覚であり罠です。
ですから、過去や現在の統計・実績データをベースに今後の投資方針について何かを語っている場面を見かけたら、十分注意してください(不動産業者などは、往々にしてそういう論理展開をしてきがちです)。
ベースになっているデータが取られた時の状況が今後についても同じように続くのか、という観点を自分で補った上で、その話が信じられるのかを慎重に判断する必要があります。
このことを肝に命じて忘れないようにするために、伝説の投資家 ウォーレン・バフェット氏の名言を引用して終わりにしたいと思います。
過去の統計の傾向が、未来でも続くわけではない。
歴史書が金持ちになる鍵であれば、フォーブス誌の大富豪リストには図書館の司書ばかりが並んでいるはずだ。
今の築30年の物件と今から買う30年後の物件は違います。
マンションに限れば今築30年の物件はあと50年持つと言われています。(驚)
現在の物件は100年以上持つと言われています。
不動産業界ではあと10年もすれば新築マンション事業が成り立たなくなると言われています。
少子高齢化もありますが、現在築10年程度のものは明らかに性能が良くなっているため内部のリフォームだけで十分快適に生活できます。
またマンションができるような良い立地はほとんど食べ尽くされているため。
(特別良い立地の築古は建て替えされるでしょう)
つまり供給が細る=希少価値が出てくるため、相対的に現在築浅のマンションは現在の築30年のマンションより価値が出てくると思いますよ。
供給過多になると暴落するのはシャープの液晶テレビが証明しています。