マネーフォワードのサイドバーに出ているコラムの中にこんな記事がありました。
iPhone8は格安からキャリアへの逆流を生み出すか – MONEY PLUS
こちらを読みますと、こんなことが書いてあります。
アップルストアの定価でiPhone8本体を買ってそれを格安スマホで使おうとしても割に合わないからです。大手三社のプランで通信料金とコミコミの形にしたうえで、お得な条件を引き出したほうが新型iPhoneはずっと安く手に入ります。
料金プランに惑わされている?
先日iPhoneについては自分の中でキャリアの存在意義は無くなったで私が書いた内容とすいぶん食い違っていますが、どうも大手キャリアのややこしい料金プランに幻惑されて結論を見誤っているような気がしてなりません。
大手キャリアの料金設定は端末価格と使用料金をごちゃまぜにして大幅割引しているように見せかけてくるので混乱しますが、これについてはかかるコストを分解し、対応する部分同士を冷静に比較していくと真実の姿が見えてきます。
試しに上の記事で例として挙げられていますiPhone 8 64GBモデルを新規購入する場合を例として考えてみます。
端末購入代金
対応する部分同士を単純に比較するということで、まず端末については一括購入価格を比較します。
先日の記事でも参考にさせていただきましたITmediaさんの以下の記事より価格を引用すると、
3キャリアの「iPhone 8/8 Plus」、最も安いのは? 一括/実質価格を比較する – ITmedia Mobile
iPhone 8 64GBの一括購入価格(税込)は
- ドコモ:8万8776円
- au:9万1440円
- ソフトバンク:9万4320円
- Apple:8万5104円
となります。ここでも先日の記事で書きましたiPhone 8 Plus 256GBの場合と同様、AppleのSIMロックフリー版が一番安いという結果となりました。
使用料金
次に問題の使用料金です。ここでは毎月2~3GBのデータ通信と通話を利用する比較的ライトなユーザーを想定して料金を計算してみます(原則、これ以降で述べる料金は税抜です)。
mineo
まず格安SIMの料金ですが、現在私が利用していますmineoを場合をサンプルとして計算してみます。
ドコモプランで音声通話付きのデュアルタイプ、データ容量3GBの場合ですと月額料金は1,600円です。
最近の大手キャリアの通話プランはすべてかけ放題が付いていますので、条件を合わせるためにオプションの「5分かけ放題サービス」を追加すると、850円が上乗せされて月額2,450円となります。
ドコモ
ドコモの場合は以下の組み合わせ
- カケホーダイライトプラン(2年契約有り):1,700円
- データSパック(2GB):3,500円
- spモード:300円
に対して月々サポート-2,376円が付き、月額3,124円となります。
au
auの場合は以下の組み合わせ
- スーパーカケホ:1,700円
- データ定額3(3GB):4,200円
- LTE NET:300円
に対して毎月割-2,670円が付き、月額3,530円となります。
なおauについてはこれ以外に、最近出てきたデータ使用量に応じた階段式料金プラン auピタットプランもありますが、これについては毎月割が適用されません。
したがってauピタットプラン(スーパーカケホ)で毎月2GBを利用する場合ですと、月額4,480円がそのまま料金となります。
ソフトバンク
ソフトバンクの場合は以下の組み合わせ
- スマ放題ライト:1,700円
- データ定額 5GB:5,000円
- ウェブ使用料:300円
に対して月月割-3,210円が付き、月額3,790円となります。
なおデータ通信についてはデータ定額 5GBより下では月月割が適用されませんので、5GBを選択しました。
というわけで冷静に各パーツを比較して行くと、端末代金、使用料金ともAppleのSIMロックフリー版iPhone+格安SIMの組み合わせが安いという結論となりました。
大手キャリア側で何か大幅な割引キャンペーンでも行われない限り、少なくともコストの観点で大手キャリアを選ぶ理由は無さそうです。
それにしても、まがりなりにもお金を取って記事を書いていると思われるライターさんさえも惑わす大手キャリアの料金体系、そろそろ何とかならないもんですかね。