Chikirinさんの以下の記事をきっかけにして、ネット上で様々が議論が起きているみたいですね。
「生産性の概念の欠如」がたぶんもっとも深刻 – Chikirinの日記
たとえば、
生産性を上げたら評価下がった話 – レールを外れてもまだ生きる – 派遣OLブログ
生産性がわかってないのはChikirinでは? : メカAG
などなど。これにつて自分も考えたことを少し書いてみます。
因果関係が逆?
個人的には、脱社畜ブログさんの、
日本の組織で深刻なのは、「生産性を意識する人がいない」ことよりも「生産性を上げることに対してインセンティブがない」ことなのではないだろうか。
という意見に一番近いものを感じます。要は因果関係が逆で、
(生産性を上げた人の)給料が上がる→(他の人も)より生産性を上げる
というのが自然なサイクルではないかと思います。
いや、時系列的には「生産性が上がれば給料上げますよ」でもいいのです。しかし「生産性を上げればきちんと評価されて給料が上がる」ということが社員に実感されていなければ、個人的に生産性向上に精を出す人はなかなかいないでしょう。
しかし現実は、たとえ成果主義を導入している会社であっても
- 評価基準がやたらと厳しくて全社でトップクラスでないと報酬に反映されない
- 管理者が評価に関して教育されていないので、感覚だけで評価を決めている
- 数値目標を重んじるあまり、売上に直接関与できないスタッフにまで売上の数値的成果を求める
などということが横行しています。このあたりを何とかしないと、個人の生産性向上の結果としての会社の生産性向上も無いと思います。
そういう意味では、生産性向上が直接自分の報酬に跳ね返る自営やフリーランスのほうが生産性向上へのモチベーションは高そうです。
長時間残業の原因は非効率だけではない
上のブログの中などでも「長時間残業しているのは、その人の作業効率が悪いせい」とか「給料のためにわざと効率を落として残業している」というような意見が散見されます。
もちろんそういうケースもあるのでしょうが、特に最近はそれ以外の要因が出てきているように思います。
それは会社の無計画な人員整理による個人への負担増大です。辞めていった人の仕事が今後やらなくていいものばかりなら問題ないですが、そういうケースはまず無く、たいていは残った人間が分担することになります。
自分が務めていた会社でも、最終的に3〜4人の辞めていった人の仕事を1人で引き継いだ、などという話はザラでした。当然、仕事の優先度に応じて取捨選択は行いますが、それでも必要性のあるものは残業してでもこなさざるを得ません。
会社的には残業代を払っても数人に給料を出すよりははるかに安いので、極限まで人を絞ろうとします。結果、過労死判定ギリギリの80時間までの残業が定常化したり、もっと酷いとそれを超えるサービス残業が横行したりします。
一旦こいう状況に陥ると、多少の生産性向上などでは手の打ちようがありません。こういうケースの残業が増えていることも、心に留めておいてほしいところです。