宗教学者の島田裕巳氏が提言した「プア充」という言葉が話題を集めています。
始まりはこの本のようですね。
以下の記事でも紹介されていますが、会社に縛られずにそこそこに働き、無駄な出費をしないでそこそこ幸せな人生を送ろう、という話のようです。
NEWSポストセブン|「プア充」提言 社会豊かな日本では低収入でも幸せ生活可能
NEWSポストセブン|プア充の鉄則 外食しない、規則正しい生活、プア充仲間作る
二番めの記事によると、プア充の鉄則は以下の3つ。
- 外食をしない
- 規則正しい生活をする
- ストレスをためるな
これらはいずれも、自分も日ごろから心がけていることです。また日本経済が停滞する中、いくら努力しても昇進も昇給もしないという状況は身をもって体験した部分もあり、この生き方に共感する点は多いです。
しかし一方で、心の何処かに引っかかる点もあります。本当にそのような生き方はずっと維持できるのでしょうか?この点について、大前研一氏が以下のように反論しています。
NEWSポストセブン|金なくとも幸せな「プア充」時代 長くは続かぬと大前研一
残念ながら、私も大前氏の考え方に近い危機感を感じます。
元々、プア充な生活ができる条件として、日本の社会全体が豊かになっているので、あまりお金を使わなくてもそこそこの生活が維持できる、という前提があります。しかし、仮に世の中の人がプア充だらけになったとしたら、その人達の稼ぎと それに応じて支払われる税金だけで現状を維持できる可能性は低いと言わざるをえません。
ある組織が経済的に継続可能かどうかは、その組織の中で価値が生み出さているかどうかで決まります。組織が活動していれば必ず消費や消耗が発生しますから、それを補うだけの価値を内部的に生み出し、その対価として外部から資源や資金を獲得しなければ、その組織はいずれ消耗して崩壊します。
そのよい例はねずみ講です。遅かれ早かれねずみ講が必ず破綻するのは、構成員の中で資金が移動しているだけで、組織の外部から見た価値が全く生み出されていないためです。
プア充についても、無理ぜずそこそこに働くという点は良いのですが、全員がだれでもできるような作業を続けているだけでは、機械や海外の安い労働力に押されてジリ貧になっていく可能性が高いです。
そこで、プア充の鉄則の4つ目として「価値を生み出す」ということを自分としては提案したいと思います。
もちろん、自らの健康や家族を顧みず、しゃにむにそれを目指せというのではありません。しかし、各人が自分なりのやり方で何か社会や他人のためになることを生み出す努力をしなければ、いずれプア充もその前提となる環境を食いつぶして消滅していくでしょう。
少子高齢化で、日本自体の衰退は止められませんから、プア充であろうがなかろうが関係ないと思います。
いまさら、税金を多少払ったところで、何も変わりません。
だったら、税金を払わずにのんびりやった方がいいでしょう。
1.プア充やって、30代半ばで収入が頭打ちになって、破滅。
2.必死こいて働いて、40代から50代で失業してローンを払えなくなり、破滅。
3.何とか定年まで働いて年寄りに年金貢いで、自身は年金貰えないで、破滅。
どの道、破滅だけですね。
不動産会社や銀行、保険会社、年寄りを食わせる為に働いて破滅するくらいなら、プア充やって、不動産会社や銀行、保険会社、年寄りと一緒に日本の資産を食い潰したほうがいいと思います。