資産目減りのリスクとどう向き合うか

最近投稿されました以下の記事などを読んで、色々と考えています。

資産が目減りする恐怖 – 一日不作一日不食
高等遊民の備忘録: 資産が目減りする恐怖との付き合い方

不意に襲ってくる経済危機などによる保有資産の目減りといかに向き合うかというのは、リタイアやセミリタイアした人、そしてこれからそれを目指している人にとっても永遠の課題です。

私も今年1月末頃から始まった新興国リスクに端を発する円高株安で退職後初の大幅な資産下落を体験し、少しだけその恐怖を実感しました。

中国経済にもかなり怪しい兆候が見え始めていますし、今後また襲ってくるであろう経済危機を迎えた時にできるだけ慌てないよう、このリスクとどう向き合うかにつて考えをまとめてみたいと思います。

安全資産を十分に確保する

自分の場合、以前からお勧めしています山崎元さんの全面改訂 超簡単 お金の運用術の考え方を参考に、資産をリスク運用資産と安全資産(預金・国債など)およそ50%ずつに分割しています。

リスク運用資産の投資先がある程度分散していれば、世界恐慌と呼ばれるレベルの経済危機が来ても、長期的に価値が50%以下に下がったままになる可能性はかなり低いです。そうすると、資産全体としては暴落時でも75%以上が確保されることになります。

ここで、たとえば資産の2/3があれば年金をもらえる年まで何とか生活を維持できるという目処が立っていれば、暴落時にもある程度落ち着いて推移を見守ることができます。

リスク運用資産は分散させる

最近はシステム取引などの影響もあってか、株式・債券・コモディティのような資産クラスや国内・先進国・新興国のような投資地域に関する連動性が強まり、分散投資による変動抑制がうまく働かない場合も増えています。人によっては「分散投資は死んだ」などという人もいます。

しかし、いかに連動性が強まったとしても、これら全てが相関率100%で推移する(同じ時期に全く同じ割合で上下する)ということはあり得ません。

相関率が100%でなければ、変動を抑える分散投資の効果は、有るか無いかで言えば「有り」です。

さほど凝ったことをしなくても、購入する投資信託を数種類に分割するだけでもある程度の分散効果は得られますので、安定的な運用を目指す人はやっておいて損は無いでしょう。

個別・短期の下落ではなく全体・長期の動向に注目する

特定の資産が30%以上下落したというような事態になると非常に焦りますが、そこで冷静な判断をしないまま損切りやナンピン買いに走ると傷口を広げる場合が多いです。

上で書いたようなことに留意していれば、一部の投資先が大幅に下落したとしても、資産全体としての致命傷にはならない可能性が高いです。資産全体の変動幅を見極め、今後の長期的な動向を予測しながら、冷静に対処したいところです(先日書きましたマネーフォワードのように、資産全体の動きをほぼリアルタイムにモニタできるツールを用意しておくと、こういう時にも役立ちます)。

少なくとも、目先の損を取り返すために生活資金として確保していた安全資産を取り崩し、追加投資するような真似は慎まないといけません。

保険を用意しておく

それでも予想外の資産下落に見舞われて、万一の生活苦になってしまったときのために、できれば余裕のあるうちに奥の手と呼べる「保険」を準備しておきたいところです。

自分の場合は、前に書きました終身保険の解約払戻金が1つの選択肢になりそうです(所詮は葬式代程度の終身保険の解約金なので、長くは保ちませんが)。

マンションや持ち家を持っている人なら、万一のときにはそれを売却して安い住居に移り住むというのも1つの保険になるかもしれません。

また、いざというときに頼れる人を見つけておくというのも、可能なら有望だと思います。自分の場合は親は高齢ですし、姉はもう嫁いでいますし、万一のときに金を無心できそうな知り合いもいませんし、ということでこのあたりは非常に弱いですが。

普段から生活コストを下げておく

大幅な資産下落に見舞われてからいきなり生活レベルを下げるというのは非常に厳しいです。そうでなくても精神的ダメージを受けているのに、余計気持ちも落ち込みます。

普段から節約を心がけるなどして生活コストを下げておけば、必要になる生活資金自体が下がって資産下落に対する耐久力も高まります。

リタイヤ・セミリタイヤを目指すものであれば、やはりこの点は日頃から押さえておきたいところです。

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