消費税増税を控え、すき家が一足早めに意表をついて発表した4月からの牛丼値下げに対し、競合各社の対応が注目されていました。
「すき家」牛丼最安270円、勝算あるのか 消費増税でもあえて「値下げ」で集客狙う : J-CASTニュース
これに対して、吉野家は値上げを決断したみたいですね。
吉野家HD、消費増税で牛丼300円に値上げ | Reuters
はたして勝敗は?
結果として、すき家の270円に対して吉野家の300円と1割の差がついてしまいました。吉野家のほうが後出しですから当然この差を認識した上で対策は考えていると思いますが、さすがにこれだけ違うとよほど思い切った手を打たない限り、吉野家が苦しい展開になりそうな気がします。
すき家の安売り攻勢に対し、吉野家があえて高値の「牛すき鍋膳」を投入してヒットを飛ばし、それをすき家が「牛すき鍋定食」で追従するという面白い展開を見せていた最近の状況ですが、これから暖かくなるに従い「牛すき」効果も小さくなっていくでしょう。
そうなるとまた安値で先行するすき家に対し、我慢しきれなくなった吉野家が値引きで追従するという以前の値引き合戦のパターンが再現されそうな気がします。
もちろん安ければそれだけで売上が上がるほど単純な世界ではないのでしょうが、4月に入って消費税が上がると、財布の紐が一段と引き締められるのは目に見えています。その中で増税分以上の値上げ、しかも競合は値下げしているという状況への風当たりは相当強いと思われます。
消費者のとるべき行動は
一方消費者観点で見てみると、個人的にはすき家の牛丼と吉野家の牛丼に大きな違いは感じられません。にもかかわらず10円程度の差ならともかく30円値が開くと誤差では済まされません。同じ条件で店に行けるのであれば、自分ならばすき家の方に行きます。
なお、すき家にしろ吉野家にしろ、普通の牛丼は客寄せのための見せ玉で、収益の柱はより高い商品やサイドメニュー、デザートなどだと言われています。したがって、他のものには目もくれず、見せ玉の牛丼だけをいただく、というのが賢い消費者の行動のように思われます。
ただ、店でそれをやるとさすがにわびしいですし栄養も偏りますので、自分の場合はほぼテイクアウト専門で、もっぱら自宅でみそ汁、漬物などと合わせていただきます。トッピングも好きなものが乗せられます。
ただ1点気になるのは、無理な値引きのしわ寄せとして、また変な食品偽装が起こったり、より一層の従業員の労働環境悪化が引き起こされたりしないかという点です。万一そのような話が聞こえてくるようなら、自分はそこを見限って多少高くても他の店にいくつもりです。