日本の時間外労働の賃金割増率は低すぎる

今朝NHKの日曜討論を見ていたら、日本の時間外労働の賃金割増率は外国に比べて低すぎる、という話をしていました。

今まであまり認識していませんでしたが、ネットで調べてみてもやはりそのような傾向にあるようです。

WordPressでBlog生活 » 日本の時間外割増率は低すぎる

外国との比較

日本の場合は時間外割増率が平日で25%、休日で35%ですが、海外では平日で50%程度、休日に至っては50〜100%にも上がるそうです。

相対的にこれだけ安く時間外労働を使えるのであれば、企業側に時間外労働を抑制しようというモチベーションは生まれません。

日本では昔から海外に比べて残業時間が長時間化する傾向がありますが、これを見ているとなるべくしてそうなっている、という気もしてきます。

日本の労働環境を改善するには

日本ではいまだに人員を極限まで削減し、それを残った人間の長時間労働で補うという目先のコストカットだけに囚われたリストラが横行しています。

これは労働者の対して多大な肉体的・精神的ダメージを与えていますし、企業自体にしても長期的に考えれば自らの体力を損なう自殺行為とも思われます。

これはどこかで止める必要がありますが、景気回復も十分とはいえず、競合他社との競争も激化し続ける中、企業自身ではなかなかブレーキが掛けられないようです。

人に何かを止めさせるには、それをやった場合のメリットを減らすか、あるいはやった場合のデメリットを増やす、といのが原則です。

そういう意味では、企業に横行する過剰な人員削減を抑止するには、この時間外割増率を海外並に引き上げ、長時間労働をやらせても元が取りにくい状況を創出する、というのは1つの有効な手段のように思われます。

安倍政権は残業代ゼロ法案などでこれとは真逆の方向を目指している節がありますが、時間外労働を計上しない裁量労働制は、仕事の成果を労使双方が納得できる形で正当に評価できることが大前提です。

しかし、今の日本の多くの企業ではその評価体制を整備できないまま評価を現場に丸投げし、形骸化した裁量労働制や成果主義を運用したことで不満や歪が噴出しているのは周知のとおりです。

この点を日本の企業が短期間で改善できるとは思えませんので、基盤が定まらない裁量労働制を推進するよりは、この時間外割増率を引き上げることによって日本の労働環境を改善する事のほうが、長い目で見れば日本経済の体力を改善する方策なのではないかと思います。

スポンサーリンク

フォローする

おすすめトピック(一部広告あり)

おすすめトピック(一部広告あり)