グルーポンの「夢のおせち」キャンペーンに思う

2年前にスカスカの「おせち騒動」を引き起こしたグルーポンが、豪華な「夢のおせち」をプレゼントするキャンペーンをやるそうです。

グルーポンが「夢のおせち」プレゼントキャンペーン–有名料理人らが協力 – CNET Japan

グルーポン・ジャパンCEOの弁では「新しいチャレンジを、あらためておせちからはじめようとした。」とのこと。

おせち騒動は「忘れられない事件」–グルーポン・ジャパンが今後の展開を説明 – CNET Japanニュース

しかし、先日は楽天の日本一優勝セールで価格偽装が問題になったばかりです。派手なプレゼントをぶち上げる前に、もっと地道な再発防止策を打ったほうがよい気がします。

上の記事によると、改善したのは以下の様な点とのこと。

  • 売上偏重だった営業の評価制度を、顧客満足度を含めたものに変更
  • 顧客の審査基準項目も30件から200件に拡大
  • 外注業者に頼っていたテキストの編集も社内で特別チーム設立
  • 掲載内容の確認も、一方的な通知から双方向での確認に変更
  • 掲載後の店舗フォローを担当するカスタマーサポートを立ち上げ

根本的な対策と呼んでいいのは、一番目の項目くらいではないでしょうか。

自分はそもそも、常識外れの割引で客を誘うクーポンというビジネスモデルに根本的な矛盾を含んでいるような気がしてなりません。

特に飲食店は、元々それほど利益率が高くないのに、何十パーセントも割り引くクーポンを売り、更にクーポンの運営会社にも手数料を払って利益が出せるとは思えません。

残るメリットは広告・宣伝の効果ですが、クーポンを使う客のリピート率はそれほど高くないと聞きます。そもそも、クーポンで引き寄せた一見客が味やサービスに魅せられてリピーターになるほどの店なら、クーポンなど使わずとも口コミででも客は集まるでしょう。

そうなると、結局最終的に儲かるのは、効果の有無によらず手数料を稼げるクーポン運営会社のみです。要はお店から見たクーポンにかかるコストとリターンが吊り合っていなんですね。この点が、割引前の価格を不正に高く見せる価格偽造や、見本と違う商品を売ってしまう商品偽装を生み出す根本原因になっている気がします。

そして、コストとリターンが吊り合っていないサービスは長続きしません。実際、上の記事でグルーポンが今後注力しようとしているポイントは以下の4点とのこと。

  • グルメや美容、医療、物販に加えてスキーやマリンスポーツなどレジャー分野強化による「品ぞろえの多様化」
  • 増えるディール数に対応するための検索や絞り込み、レコメンデーション機能の強化による「カスタマーエクスペリエンスの改善」
  • スマートフォン向けアプリを一新し、画像を多用してユーザーに商品の魅力を伝える「モバイルの強化」
  • お金で買えないような発見、驚きを体験できるディール「“WOW”ディール」の提供

これらは、普通のオンラインショッピングモールでもやっていることばかりで、クーポンならではのサービスというものが1つもありません。今後もその独自性が打ち出せないならば、やがて数あるオンラインショッピングモールの中に飲み込まれていくのではないかと思います。

自分はこういう考えなので、クーポンを使っての買い物は基本的にしません。このクーポンの割引率は本当にお得なのか?などと悩むくらいなら、普通のオンラインショッピングサイトで最安値のものを見つけてさっさと買ったほうが速いです。

もし稀にクーポンを使うとしたら、客寄せの意味で配られる、無料で何かをゲットできるクーポンくらいですね。今回のおせちプレゼントも、自分の腹は痛まなので応募してやろうかと思いましたが、対象は関東地方の人限定だそうです。残念。

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