いつものようにAmazonで電子書籍をチェックしていたら、日替わりセールを見て驚きました。今日の日替わりセールの対象書籍はこちら。
会社四季報 Kindle版
そう、季節が変わるごとに書店店頭に並ぶ、あの株式投資家必携の分厚い本です。
とうとう、こんなものまで電子書籍化されるようになったのですね。しかもそれを日替わりセールに投入してくるとは、Amazonもなかなか大胆です。
元々分厚い本で毎期買っている人は置き場所に苦労していそうですし、全部通して読む人はあまりいないと思われますので、電子書籍との相性は良さそうです。
またお値段の方も紙版は2,000円ほどするのに対して、今回は599円と非常にお買い得になっています。もっともこれは日替わりセールの特別価格で通常は1,800円のようですので、通常は価格的なアドバンテージはほぼありません。純粋に使い勝手でどちらかを選ぶことになりそうです。
電子書籍版の出来は?
自分は当面株式を買う予定がありませんので購入はしませんでしたが、サンプルをダウンロードしてみました(Kindleで販売されている書籍ならどれでも、冒頭部分のサンプルを無料で即時に取り寄せられるのはKindleの強みの1つです)。
字はかなり小さくなりますが、Kindle Paperwhiteでも十分読み取ることができました。ただ容量が約500MBあるようですので、空き容量が少ない人は正式版を購入する時には注意が必要です。
またiPad miniにもダウンロードしてみたところ、解説部分は2色刷りになっていましたので、できればカラーの端末で参照したいところです。
なお、これはAmazonの商品説明の箇所にも記載されていますが、「文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません」という制限があります。
検索が使えませんので、特定の会社の情報を参照するには、紙版と同じように社名索引からその会社を見つけてそのページに移動するという手間が必要になります。しかも、書籍内のページ番号でジャンプできませんので、スライダーなどで当たりをつけながら移動する必要があります。この点はかなり厳しく、せめて証券コードでの検索に対応して欲しいところです。
また、タッチ操作での辞書引きはKindleの売りの1つですし、普段見慣れない単語が出てくるこういう書籍でこそ有難いものなので、辞書が使えないのは残念です。
というわけで、会社四季報を電子書籍化するという英断には賞賛を送りたいと思いますが、本格的に普及させるためにはまだまだこれからの改善に期待したいという印象でした。
ただ、やはり599円という価格は魅力的ですので、株取引をしていて電子書籍版に興味がある人は、今日中に試しに買ってみるもの有りかと思います。
モバイルアプリ化の方が適切か
今回試していて、そもそもこういう情報を書籍として扱うことには少々無理があるのかもしれない、と思い始めました。
商品説明を読むと会社四季報が創刊されたのは「2・26事件」の年(昭和11年)だそうですが、その頃からほんの10年ほど前までは、こういう大量の情報を一般に安く配布する手段は書籍化しか無かったのだと思います。
しかし、本来こういう大量の情報を管理するにはデータベース化するのがふさわしく、しかもそれを活用するプラットフォームと成りうるスマホやタブレットは今や広く家庭に浸透しています。
そういう意味では、今までの書籍という流れを引き継いで電子書籍の制約で窮屈な思いをするよりは、会社四季報の情報を納めたデータベースをバックエンドに持つモバイルアプリ化することによって、検索や閲覧の柔軟性と配布の容易さという両面のメリットを享受したほうが、より望ましいのではないかと思いました。