うまい話の裏の意図を知る

今週テレビや新聞を騒がせたベネッセの個人情報漏えい問題ですが、事件自体は警察や監督官庁が動き出したようですので、あとはその結果を見守るのみです。

個人的には、本件に絡んで山崎元さんが書かれた以下の記事に注目しました。

ベネッセ騒動を教訓にしよう!ビッグデータ時代に必要な「マーケティング解毒教育」|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン

モノやサービスの提供者側の意図を知れ

記事の流れとしては、個人データの取扱いに関する規制を厳格化して問題発生を抑えこむよりも、消費者側に個人情報を利用したマーケティングに対する「耐性」を養うことが有効ではないか、というお話です。

記事の最後の方で、筆者の専門分野である投資分野の経験をふまえて「中等教育程度で伝えたい賢い消費行動の7つの基礎」というものが挙げられていますが、個人的にその中でも特に重要だと思うのは以下です。

モノやサービスが提供される場合には、提供者側に経済的な意図が存在することを意識せよ

これは、その後ろで更に噛み砕いて説明されていますが、投資の世界の話でいうと

全ての儲かりそうな情報に対して、「本当に儲かる話なら、他人がそれを教えてくれるのはおかしい(=自分に伝わって来ることが不自然だ)」と知っていることが必要だ。

ということです。ネットや新聞・雑誌など、身の回りにあふれている「うまい話」には必ず裏があるということですね。

一見、ローリクスでハイリターンが得られるように見える投資話は、実際には予想通りのリターンが得られない可能性があるか、少なくとも話の提供側が話に乗った人よりも利益を上げられる仕組みになっているはずです(こと投資の世界では、自分の身を削って他人を儲けさせてくれる人はまず居ません)。

投資以外の世界でも、例えば今回の個人情報漏えい事件の被害者の多くは、ベネッセが各地で開いたイベントなどで一定の報酬と引き換えに個人情報を提供した人のはずです。ベネッセはそこで支払った報酬以上の利益を後から得られると見込んでいるからこそ、そういう活動をしているわけです。

また自分に近いところで話をすると、求職活動でこちらから申し込んだ求人先からはほとんど色よい返事がありませんが、フランチャイズの募集や使い捨てと思われる不動産や保険の営業職については、ガンガン先方からアプローチがあります。これも話の提供者側が確実に儲けられる仕組みがガッチリ出来上がっているからこそです。

対応策は?

この事に対して、上の記事で対応策として挙げられているものの1つは

セールスマンの口上だけでなく、友人によるクチコミなども含めて、他人が提供してくれる情報を、自分が納得できて他人にも説明できる程度の根拠を持たずに信用してはいけない

ということです。自分は理解できないけどこの人は親切そうだから話に乗ってみようというのではなく、自分が納得できて更にその仕組みを他人にも説明できるようになって初めて話に参加する資格ができる、ということです。

このことは突然知人から怪しい儲け話を持ちかけられたときや、金融機関でよくわからない金融商品を勧められた時などに非常に役に立ちますので、覚えておいて損はないです。

などといいなが、そろそろ自動車保険の更新時期が近づいてきましたので、高々1,000円分程度の報酬欲しさに保険見積りサイトに個人情報を差し出そうとしている自分がいたりますが、まあこれについては経験的に影響範囲が知れていますので多分大丈夫でしょう。

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『うまい話の裏の意図を知る』へのコメント

  1. 名前:野垣 投稿日:2014/07/19(土) 23:31:58 ID:a57060b42 返信

    おっしゃるとおりですね。
    相手からプッシュされるモノやサービスには、常に慎重になったほうが良いですね。
    優しい顔して近づいてくる人の背後には、黒い影がつきまとっているかもしれません。

    前から思っていたのですが、詐欺師と企業って、紙一重なのかもしれませんね。

    • 名前:観楓 投稿日:2014/07/20(日) 07:14:42 ID:56696ebbf 返信

      野垣さん、コメントありがとうございます。

      そうですね。最近の儲け至上主義の企業では、明確な犯罪でなければどんなグレーな手を使ってでも顧客や従業員から利益を絞り取ろうとする傾向があります。

      やはり個々人が知識や認識を高めて自分を防衛する必要がありますね。