先日、こんなブログ記事が目に止まりました。
不注意が起こるアーキテクチャを作っておきながら、不注意を責め立てて小銭を巻き上げることを収益に織り込んだ「フールペナルティ型ビジネス」の台頭 – 情報学の情緒的な私試論β
100円レンタルDVDの異常に高い延滞料とか、解約の手順がわかりにくい携帯電話のオプションの話がサンプルとして取り上げられています。こいう人の不注意につけ込んで儲けようとするビジネスは、自分も前から気になっていました。
そこでふと頭に浮かんだのが、以前から時々DMが来るケガ専門の医療保険です。人の体を対象にする保険で、病気を含まないケガや事故のみを対象にした保険を傷害保険というそうです。
どうも感覚的には、この傷害保険が一般的な医療保険に比べて不自然に力を入れて宣伝されているような気がするのです(特に外資系の保険会社)。
需要の面から見ると、ケガ専門の保険を望んでいる人がそれほど多いとは思えません。病気もケガも通常は予測不可能なものですから、万一に備えるなら両方カバーするものを望む人のほうが多いはずです。
にもかかわらず傷害保険の宣伝に力を入れるのは、これも人の不注意につけ込んだビジネスを狙っているのではないかと感じるのです。
つまり、ケガのみを対象にした傷害保険は病気も対象とする一般的な医療保険より保険料が安いです。そこで、これを格安の一般的な医療保険と勘違いして契約する人を見込んで宣伝しているのではないか、ということです。
もちろん、保証内容は契約書をよく読めば書いてありますが、表面上の謳い文句は入院日額何千円、手術時 何万円など、どちらも似たような内容です。勘違いする人は一定数いると思われます(特に高齢者など)。
持病があって病気対象の医療保険には入れないがケガの保険には入っておきたい人など、実態をふまえた需要も確かにあるのでしょうが、それだけでは無差別にDMを送ってくるような力の入れようは説明できない気がします。
いずれにしても、こういう使った人が後悔するようなビジネスが、やったもの勝ちという風潮ではびこるのは残念なことです。こいうビジネスモデルを使う業者は一時的には儲かるかもしれませんが、得意客の芽を自ら摘んでいるようなものですから長期的には廃れていくと思いますが。
利根川幸雄「大人は質問に答えたりしない それが基本だ」
こういうことですねw