5月21日、世間を騒がせていたドローン少年が逮捕されたというニュースが流れました。
【ドローン少年逮捕】15歳少年逮捕 浅草・三社祭で「ドローン飛ばす」予告、業務妨害の疑い – 産経ニュース
ドローン少年=グラディエーター
このニュースを見で感じたのは、少年はグラディエーターにされちゃったなあ、という感想です。
グラディエーター(剣闘士)は映画の影響で格好良いイメージがありますが、実際には闘技場で剣闘士同士や猛獣と戦わされ続けた奴隷に近い人達です(参考:剣闘士 – Wikipedia)。
その戦いの意味は闘技場で安全な客席から見守る観客を楽しませるためだけという、命を賭けるにしてはあまりに軽い存在でした。
この少年は小学校の頃から教師や同級生とトラブルが絶えなかったようですので、元から騒ぎを起こす素養はあったのかもしれませんが、動画のネット配信という仕組みと、それを通して少年を煽り資金などを援助する大人と出会わなければ、ここまでの大事にはならなかったでしょう。
少年は自らの自尊心を満たすためか、動画サイトを盛り上げるためかよくわかりませんが、世間や警察という猛獣と戦い続けて結局15歳の若さにして自分の人生に逮捕歴という消えない傷を刻むことになりました。
一方、動画配信サイトで少年を煽りながら時々投げ銭などして楽しんでいた人々は、一人は警察に出頭したようですが、おそらく公式な記録が残るような処罰を受けることは無いでしょう。
まさしく、闘技場で命を賭けて戦った剣闘士と安全な客席から見ていた観客の関係と言えるでしょう。
自ら望んで剣闘士になったことの非を認められるか
ただ、この少年が実際の剣闘士と1つ違う点は、外部的な要因はあったものの強制されたのではなく自ら望んで剣闘士になったことです。
倫理観とか道徳観とかそういうことはとりあえず横に置いておいておき、純粋に利己的に考えたとしても、そのことは自分にとって結局損な選択でした。
この少年はかなり頭は良いようですので、潜在的にはそのことを理解しているような気がします。しかし自分の行動を律することはできませんでした。
このことを考えた時、マンガ「ハンター✕ハンター」の中で「頭はいいがバカなのが玉にキズ」と祖父ゼノに評された暗殺一家ゾルディック家の次男ミルキこのとを何となく思い出しました。
あとは肥大した自尊心を抑えて自らが誤りを犯したことを素直に認め、今後の生き方に活かす知恵を身につけられるかどうかがこの少年の未来を分けるような気がします。