久しぶりの雇用保険ネタです。
以前に書きました離職理由は自己都合か会社都合かという記事にコメントを頂き、改めて調べてみたところ、雇用保険法が改正されていることがわかりました。
特定受給資格者とは
雇用保険の特定受給資格者とは、会社の倒産やリストラなどの理由でやむなく離職した人、いわゆる「会社都合」で退職した人のことです。
しかし「自己都合」で離職した人でも、特定の条件を満たしていてそのことをハローワークで申告すれば、特定受給資格者として認定される場合があります。
先の記事でも書きましたように、この特定受給資格者に認定されると、普通の「自己都合」の離職者に比べて以下のような優遇が受けられます。
- 失業給付の給付制限期間(通常3ヶ月)無し
- 失業給付の給付期間延長
- 国民健康保険の軽減措置
時間外労働に関する条件の拡大
特定受給資格者として認定される条件は色々あり、詳細は以下のハローワークのページなどで公開されています。
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要 – ハローワークインターネットサービス
中でも比較的条件が単純で該当者が多く、ハローワークでの申告もやり易そうなのが、前の記事でも挙げました賃金低下と時間外労働に関する条件です。
このうち時間外労働に関する条件が2014年4月1日の雇用保険法改正で変更されていることが分かりました。
前の記事を書いた時点では条件は
- 離職の直前3か月間に連続して45時間を超える時間外労働が行われた
となっていました。ちなみに離職の直前3か月とは、離職日を含む月の前月までの3ヶ月のことです。
これが改正後は、以下のように変更になっています。
- 離職の直前6か月間のうち、いずれか連続する3か月で45時間を超える時間外労働が行われた
- 離職の直前6か月間のうち、いずれか1か月で100時間を超える時間外労働が行われた
- 離職の直前6か月間のうち、いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われた
対象期間が離職の直前3か月から6ヶ月に拡大され、更に2番めと3番目の条件が追加された感じですね。
これで離職直前3か月の中にたまたまゴールデンウィークや盆・正月などが入っていて少しだけ残業時間が足りない月があった人や、業務量の山谷が激しくて隔月で80時間以上の極端な残業をしているような人が救済される可能性が高くなりました。
今のところ、ネットで検索しても改正前の情報と改正後の情報が混在しているような状況です。
上記のように特定受給資格者に認定されるかどうかで退職後の境遇が大きく変わりますので、上記のハローワークのページなども参照しつつ、自分が該当するかどうか慎重に検討してみてください。
証拠集めも忘れずに
なおハローワークで特定受給資格者であることを申告する場合には、その証拠となるタイムカード、勤務管理表のコピーや給与明細などを自分で用意して提示しなくてはなりません。
申告すればハローワークの人が勝手に調べてくれるわけではありませんので、そのあたりは在職しているうちに抜かりなく準備しておいてください。
私は、昨年末に退職したのですが、直近3ヶ月45時間超で特定受給資格者の申請をしました。
最新の情報を自分で集めるのは当然ですが、退職~各種手続き、失業認定以降の一連の流れはこちらのブログが非常に参考になりました。
これから退職を考えている方は、関連記事は一通り目を通す事をおススメしますね。
また、給与明細以外の記録は社外秘の場合があるので、明細が無い場合は総務に確認してから持ち出す様(コピーも含めて)にした方が後で揉めないでしょう。