毎月分配型投信で金融機関が甘い汁を吸うのもそろそろ限界か

以下の記事を読みました。

【経済快説】毎月分配型投信の不適切販売 訴訟ラッシュの可能性も – 経済・マネー – ZAKZAK

毎月分配型投資信託の特別分配金が元本の一部払い戻しに相当するという仕組みを知らずに購入して損を被った高齢者が販売会社である銀行と投資信託会社を提訴し、賠償金の支払いを命ずる判決が出たというニュースです。

売ったもん勝ち時代の終焉

投資信託などの金融商品や生命保険などでは、買う側に不利な情報を約定書などに米粒のような字で記載し、いざ問題になったら読んでないほうが悪いと「自己責任」という言葉一言で片付けようとする悪しき風習が長らく続いてきました。

しかし今回の件では、問題の特別分配金の説明が目論見書の小項目の中に目立たないように記載されており、また分配金の水準がファンドの収益の実績を示すものではない点については触れられていなかったため、説明義務が十分果たされていなかったと裁判所が判断したようです。

それでも特別分配金に関する記述を見落としたのには原告側の過失もあるとして、認められたのは損失額の半額の賠償だけのようですが。

被告側が控訴中でまだ判決は確定していませんが、いずれにしても売ってしまえばこちらの勝ち、という金融機関の姿勢には一石を投ずることになりそうです。

改めて毎月分配型投資信託について

この件で問題になった毎月分配型投資信託ですが、未だにそれなりに売れ続けているところを見ると、今回の件の老人と同じようにその仕組みを十分に理解していない人が一定割合いるのではないかと思われます。

資産を取り崩して生活する老人ならともかく、資産形成中の人が知らずに手を出すと目も当てられませんので、改めて毎月分配型投資信託の2種類の分配金について書いみたいと思います。

普通分配金

投資信託の元本の運用により生じた収益から支払われる分配金です。

これのみによって分配金が賄われていれば、投資信託の基準価格は購入時の価格より下がりません。こちらが、いわゆる一般的なイメージでの分配金です。

特別分配金

普通分配金だけでは予定の配分金を賄えなかった場合に、元本の一部取り崩しによって支払われる分配金です。

これが発生すると、投資信託の基準価格が購入時の価格より下落します。言葉のイメージで誤解されやすいので、「元本払戻金(特別分配金)」というような表記が取られるようになってきています。

全般的に金利や配当が低い傾向にある今のご時世ですから、毎回使い出があると思えるくらい分配金が出る毎月分配型投資信託については、ほぼ間違いなく特別分配金が出ていると思っていいでしょう。

最初の記事の筆者も以下のように言っています。

 なお、毎月分配型投信は、仕組み上も商品としても損だ。今後も、全て、一切買うべきではない。

やけに思い切りのいい筆者さんだなと思って末尾の署名をみたら、やはり前にも著書をお勧めした山崎元さんでした。

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