先日持ち家を買うのは賃貸に住みながら不動産投資しているのと大して変わらないで「住宅購入は不動産投資である」という橘玲さんの言葉について書きました。
ところが、以前にも「全面改訂 超簡単 お金の運用術」お勧めですなどで紹介しました山崎元さんの著書を読み返していたところ、全く同じことが書かれているのを見つけました。
「第二章 超簡単お金の運用方法をめぐるあれこれ」より
「③不動産投資で失敗しない」
「自分が住む住居の損得は、投資用とは違う」と言う人もいるが、これは当たらない。自宅用の不動産は、単に「自分が店子である不動産投資物件」なのだ。
というわけで、橘玲さんと全く同じことを言われています。
また、ここで住宅ローンについて
ローンの金利と賃貸に回した場合の利回りを比較して、後者が高ければ、借金して買っても「儲かる物件だ」と考える人がいるが、住宅ローンを借りて不動産投資物件を買う場合の損得は、「現金から投資する場合の損得+ローン自体の損得」となるので、現金から投資する時の損得 に加えて、銀行の儲けの分だけ住宅取得者が追加で損をする計算になる。
とも書かれています。 持ち家派の人が「ローンを払い終えれば資産が手に入る」とか「住宅ローンの支払額が家賃の相場より安ければ買った方がいい」というようなことを口にされますが、それは的を得ていません。
持ち家購入の本質は現金一括購入です(買った時点で価格が決まってしまうわけですから)。ローンはその支払方法の方便に過ぎません。
ですから、ローンの完済時期や返済額で何かを判断しようとすると、判断を誤ります(そんなものは、返済回数やボーナス返済額を調整することでどうとでもなります)。
また、別の章でも住宅について含蓄のある言葉が記述されています。
「第四章 お金のあれこれ簡単レクチャー」より
「【レッスン5】資産運用の中で住宅の位置付けは?」
住宅を買い、そこに住んでいるという状態は、意味合いとしては「家賃を配当してくれる株」を持っているということだ。賃貸暮らしなら支払うべき家賃を節約していると考えればいい。
住宅の場合は経年劣化で毎年ほぼ確実に価値が減少していくちょっと特殊な株ということになりますが、こう考えると確かに他の投資との比較がしやすくなります。
住宅購入と同じ金額を投資して、家賃と同等以上のリターンが得られる別の投資対象があるのであれば、必ずしも家を購入する必要は無いわけです(最後の残存価値も含めて判断する必要がありますが)。
また、住宅の価格変動リスクや天災リスクを背負いたくないために、住宅よりリターンが少ない安定した資産にあえて投資するという考え方もあり得ます(その場合は当然、平均的には金銭的負担が増えますが)。
住宅を買うかどうか、最終的に考える尺度は家賃との比較だ。(中略) たとえば、毎月の家賃が25万円で、諸費用込みで年間家賃が300万円程度の物件があるとしよう。それが3000万円で買えて、10年住むことができて、かつ残存価値がそこそこプラスに残るだろうというようなことであれば、まあまあの投資物件かもしれない。
持ち家と賃貸を比べる場合は、やはり同じ期間のトータルコストで比べる必要がありますね。「ローンを払い終えれば資産が手に入る」とか「賃貸は一生家賃を払い続けなければならない」とか、変な固定観念で判断するのは止めましょう。
以上、山崎元さんの著書「全面改訂 超簡単 お金の運用術」よりいくつかの記述を引用させていただきました。
正直言ってこんな記述があったことはすっかり忘れていましたが、自分の考え方はこれらにかなり影響を受けていたようです。
もっとも、ここで書かれていることをまるごと鵜呑みにしたわけではなく、自分の感覚と較べてみてもしっくり来る内容ですので信頼しているわけですが。
この本を買って「うん、なるほど」とは思ったこともあるんですけどね。
ただ実践としてインデックスファンドに3000万投じて毎月25万(税引き前)定額切り崩した場合底をつかないのか?と考えると非常に厳しいと思うんですよね。
山崎氏も結局のところ「安いなら買う」とコラムで明言してますので。。。
まあ結局状況次第で投資と同じで当て推量の域(要するに勝つか負けるかは5分5分)を脱しないわけです。