先日「家を買ったことも無い人に持ち家を語られても」と言われてもで、付き合う時 気をつけたほうがいい持ち家派の人を見分けるための特徴について書きました。
最近その具体的サンプルともいえる、持ち家に対する歪んだ愛情とでもいうようなものを感じさせるブログ記事をいくつか見かけましたので、今日はそのことについて書いてみます。
ケース1:持ち家はポートフォリオに組み込む必要が無い?
こちらの記事を書いた方は、最近ある方から持ち家を買うとポートフォリオのバランスが崩れる、ということの指摘を受けて気になっていたようです。
そしてそのことについて考えた末にたどり着いたのが、表題の「持ち家はポートフォリオに組み込む必要が無い」という結論です。
その理由は「不動産購入には資産の裏付けがある」からだとか。
一瞬何を言っているのかわかりませんでしたが、持ち家を買うのはキャッシュを不動産に等価交換しただけであり、換金すればすぐにキャッシュに戻るから組み込まなくても問題ないというお考えのようです。
しかし、およそ個人が買い付けできる投資資産で、不動産より換金しにくいものはあまり思いつきません。
換金すればキャッシュに戻るものはポートフォリオに組み込まなくてよいとすると、この方の資産ポートフォリオの中には一体何が残るのでしょうね。
せっかく持ち家を持つことに関するリスクの1つに気付いたのに、投資の世界で広く利用されている現代ポートフォリオ理論をも否定して独自理論を展開し、そんなことは問題無いと結論付けるその態度は、まさしく持ち家に対する歪んだ愛情のなせる技のように思われます。
もちろん個人が何をどういう形で愛でようとそれは自由ですが、そのスタンスで持ち家を他人にも勧めるのはどうなんでしょう?
ケース2:賃貸住まいで株を買うのは株式の信用買いをしてるのと同じ?
こちらの方の記事の場合は、賃貸住まいで株を買う人は大金を持っていないということがなぜか前提になっていて、その条件の元で家賃分の利益を稼ぐには信用取引するしかないという話の流れになっています。
しかも、投資する先はハイリスク・ハイリターンの株式100%(更におそらく個別株しか想定していない)ということになっていて、自分ならばメンタル的に耐えられないと結論付けています。
しかし実際には賃貸に住んでいる人は持ち家を買っていない分 自己資金に余裕がありますので、株にしろ他のものにしろ、投資をするのに信用取引を利用しなければならない必然性はありません。
また、投資先も株を含めてあらゆる選択肢が選択可能で、最近は使い勝手の良いETFや投資信託もたくさんありますので、個別株の取引で神経をすり減らす必要は無く、リスク・リターンをコントロールしながら分散投資をすることは十分可能です。
これらの点に気づかないまま(あるいは気づいていても見て見ぬふりをしながら?)、賃貸に必然性のない制約を課して比較することも、また持ち家に対する歪んだ愛情のなせる技のように思われます。
これらの持ち家派の方の極端な論理展開を見ていると、一見持ち家を愛しているように見えながら、むしろこれから持ち家を買おうかと考えている方をミスリードすることになりはしないかと心配になります。
いかに愛しているものとはいえ、それに欠点があるならその点は率直に受け止めていかに寄り添うか方法を考え、また比較対象とは公正に比較検討した上でその良さを語ることが、本当の愛ではないでしょうか。
こんにちは。はじめまして。
アーリーリタイヤ界隈の一連の議論?を拝見していますが、持ち家派の方は結論ありきで語っている方が多いような気がします。自分の行動を正当化するために無理にネガティブな部分は曲解しています。
不動産の資産としての流動性の悪さなんて議論する余地もないただの事実だとおもうのですが…
皆が客観的に事実だけで話していけば賃貸と持ち家どちらが優れているなんて話にはならず資金の消費(投資)先が違い、そもそも全く性質の異なるものだなって結論に早々に行き当たりそうなものですがね。